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むなかたのこと

■成り立ち

福岡市と北九州市の中間に位置する地理的な優位性を活かし、S30〜40年代の大型団地開発を背景に人口が増加。ベッドタウンとして発展。2017年には沖ノ島と関連遺産群が世界文化遺産に登録された。97,156人、43,382世帯が暮らしている(2020年6月時点)

■地価

国が公表する公示地価によると宗像市の地価は3万7,893円/㎡、12万5,267円/坪で575位/1,374中となる。変動率は+1.46%となり、これは172位まで上昇する。ちなみに人気エリアとなる隣の福津市では57位まで上昇。

■まちの特徴

・海のまち
有人島である大島・地島と世界遺産に登録された沖ノ島の3つの島がある。
また県内随一の漁港である鐘崎漁港、船の発着ターミナルの神湊、さつき松原など海辺の環境が近い。毎年10月1日に開催される神事「みあれ祭」は特に有名。

海の青さや景観の良さは県内随一

・自然景観
海の景観は県内でおそらく最も美しい。海だけでなく山の眺めも良く、城山、金山、孔大寺、湯川山で構成される四塚連山は登山者も多い。低山ならではの登りやすさが魅力。川は二級河川の釣川があるが、水質はあまりよくないため川遊びをする人は少ない。

四塚連山のひとつ孔大寺山

・公園
宗像ユリックスの芝生広場やふれあいの森は、子どもが思いっきり遊べる環境があり、周辺エリアから遊びに来る家族も多い。ランニングなど運動する場所としても利用しやすい。

運動施設や子どもが遊べる広場が魅力の宗像ユリックス

・利便性
JR鹿児島本線の東郷駅、赤間、教育大前駅の3つの駅がある。博多や小倉まで30分程度と都市圏へのアクセスも良好。東郷や赤間駅周辺は買い物や病院などの施設も充実している。

改修で見晴らしがよくなったJR東郷駅

・子育て
子育て環境の良さには定評ある宗像市。行政も子育て支援には力を入れている。
むなかた子育て教育サイト「むむハグ。」

地域づくりの担い手

■12の地区コミュニティ
市内には12の地区に分かれており、それぞれの地区には、地域づくりをすすめるコミュニティセンターがある。センターの運営は各地区のコミュニティ運営協議会という組織が担っており、地区ごとに行われる行事やイベントの開催などを進めている。各地区のコミュニティを支える自治会は市内に143存在する。

・12地区コミュニティの人口と世帯数
赤間地区 17,366人 8,390世帯
河東地区16,720人 6,565世帯
自由ヶ丘地区14,936人 6,329世帯
日の里地区11,753人 5,526世帯
東郷地区10,157人 4,534世帯
赤間西地区 9,477人 4,325世帯
南郷地区5,627人 2,587世帯
池野地区3,849人 1,642世帯
玄海地区2,794人 1,503世帯
岬地区1,976人 887世帯
吉武地区 1,827人 863世帯
大島地区596人 309世帯
                   (2020年5月末現在)

先進的にコミュニティの仕組みを形づくってきた宗像は、模範となり他地域からの視察も多かったという。市内のコミュニティセンターで最も事務局長歴の長い吉武地区コミュニティ・センター事務局長の髙山さんによると
「地域に予算と施設と地域自治の権限を与えて、自分たちの地域に責任を持たせること。それをやらされるのではなく、住民自らが「何のために、何をするのか」を考えることができること。この仕組みは他市町村にはない、本当に素晴らしいものなんです。」と宗像のコミュニティの仕組みについて話してくれた。

吉武地区コミュニティセンターで7年間事務局長を務める髙山國敏さん

コミュニティセンターの他にも市が管轄する地域づくりの拠点となる場所が市内にはいくつか存在する。代表的なものとして、唐津街道赤間宿に拠点をおく「赤馬館」や宗像市役所近くに遺跡公園としてオープンした「いせきんぐ宗像」などがある。

田熊石畑遺跡歴史公園いせきんぐ宗像

NPOと市民活動団体

コミュニティセンターは、行政的な立ち位置で包括的に地域づくりを進めるため、毎年実施する事業は固定化しやすい傾向にあり、機動力や柔軟性に欠ける面がある。その一方で、機動力や現場ニーズに沿ったしなやかな動きができるのが、NPOや市民活動団体である。現在、市内で活動する団体は114団体存在する。(2020年6月時点。宗像市市民活動団体登録数)

県内の市町村をみると、2大都市である福岡市が510団体、北九州市が269団体、近隣でみると古賀市が61団体となっている。人口規模から比較すると活動する団体数は多いことが伺える。しかし、市民による地域づくりの担い手は年々少なくなっており、2012年と比較すると230団体から半分にまで減少している。団体数の高齢化率も高く、若い世代の担い手づくりが顕著な課題。

宗像市が団体の活動を応援する制度として「人づくりでまちづくり補助金」などがある。市では他にも、島の活動の応援や文化芸術活動を支援する補助金もある。

清掃活動を行う市民団体

■団体の課題

地域で活動する多くの団体が課題として捉えているのが、活動する仲間づくりである。マンパワー不足のため、活動を維持することが難しくなり自然消滅したりメンバーが高齢化している団体では後継者をつくれず活動をやめることも多い。時代の変化に伴い、若い人が地域活動に時間を割く余裕がなくなっている昨今では新たな活動も生まれにくい。ベッドタウンとして発展してきた故の弊害も少なからず影響していると見受けられる。その他、多かったのは活動資金や情報発信と続くが、これらの課題に対しての地域性による差はほとんど見受けられない。

1位 仲間集め 2位 活動資金 3位 情報発信

(宗像市第2次市民活動推進プラン2019団体アンケート調査より)

■市民の活動参加

市内における市民によるボランティア活動や自治会などの地域活動への参加率は23%となっている。活動に参加していない理由として、最も多かったのは「時間がない」という声。参加していない人の約8割がこの理由から。次いで「知らなかった」という声も多く、情報を市民に届ける仕組みや努力も欠かせない。
               (H25宗像市市民活動アンケート調査より)

地区で毎年行われる藁あみ作業ボランティア

■むなかたの地域の魅力と課題を紐解く

以上、宗像の特徴とそれを支える市民による地域活動という側面から宗像を紹介した。豊かな海の恵みと歴史を背景に、福岡市と北九州市の狭間で発展してきたむなかた。表面的には捉えづらいこの街の魅力や課題を、本サイトを通じて紹介していけたらと思う。

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